病棟別看護必要度の落とし穴

脳外科病棟が忙しいであろうことは金曜日に分かりました。
もう少し根拠となるデータが欲しいと思ったのでこの週末に分析してみました。
まずやったことは

  • 各病棟のナースの延べ勤務時間数から、ナース1時間あたりの必要度を求める

です。
1ヶ月間の延べ看護必要度を、1ヶ月の延べ勤務時間数で割れば、ナース1人あたりどの程度の必要度がかかっているのかが分かります。これは、仕事の大変さをあらわすものであると考えます。
で、出してみた。
結果から言うと、外科病棟が1位、続いて脳外科病棟、そして消化器+泌尿器の混合病棟。
もうね、あれだよね、脳外科病棟が高く出るものだと思ってたからびっくりしたね。「え?」って。
まぁ、外科がトップになる理由は説明がつく。「A項目(モニタリング及び処置)がダントツで高いんだ。逆に脳外科病棟はB項目がピカイチ。消化器+泌尿器病棟はA・Bともにまずまずの点数。
ということは、定量化したデータ(看護必要度)上は脳外科病棟が飛び抜けて忙しいとは言えないのである。
 
ん〜そうじゃない。何かがおかしいんだな。
今回看護必要度が導入された経緯は、「ある程度重症の人がいないとナースだけ7:1揃えてもダメだかんね」というあくまで診療報酬の側(保険者)からの論理で、「ある程度」というラインを超えているか超えていないかの判断をするためのものである。
よって、本質的な意味での「看護の必要度」「看護師の仕事の定量化」とはちょっとずれていると言える。
 
ではどうするべきかを考えると、患者さんの状態を点数付けした結果をただ積み上げるだけではなく、何かしらの重み付けをしなければならないと思った。
要は、同じ100点の病棟でも2点×50人の病棟と20点×5人&0点×90人の病棟では忙しさの度合いは違うだろうということ。
ボクが想像するには重症の人が多いほうが忙しいのではないかと思うし、金曜日に看護部に行った際に師長さんもそのような感触を持っていることを言っていた。(先日の日記にも書いたが、脳外科病棟の重症率は5割超え。HCUと遜色ないのよ。あれは忙しいがな)
 
この仮説を検証するために、重み付けの目的でA項目・B項目を単純に2乗して勤務時間で割ってみた。
したらばやはり出ましたよ。A項目はどの病棟もおよそ似たような結果に対し、B項目の脳外科病棟だけがダントツ。他病棟に比べておよそ2割高い。他の病棟でもヒーヒー言ってるのに、更に2割り増し。マグネット・コーティング前後のガンダムの性能ぐらい差があるんじゃね?
 
明日、このデータを持って看護部に行ってみます。仮説が受け入れられたらこのグラフが脳外科病棟の力になるかも。