博士号取得しました!

約一年ぶりのエントリーになります。
まだ見てくれている人いるのかな?(笑)
 
さて、私こと江頭(仮名)、この度無事に博士号を取得しました。
なんの博士か書いちゃうと身バレするので内緒ですが・・・。
 
何を研究したかっていうと、今の診療報酬制度では、看護師さんの労働って出来高なら入院基本料で定額、DPCなら機能評価係数?で定率なんですよね。
DPCに着目すると、機能評価係数1を乗ずるPDPS点数って、基本的に検査料や投薬料などの出来高がベースになっているのですが、それって看護と全く相関しないんですよね。(事実、検定しましたが、全く相関しないという結果でした)
てことは、今のDPC/PDPS点数×機能評価係数1で看護を評価するってのは明らかに間違っていると言わざるを得ないわけです。ここが現行制度の問題点なわけです。
じゃぁ、機能評価係数1で定率評価ではなく、機能評価係数2のように施設間で変動する係数を設定する必要があるのではないか、そのためには看護量を計る指標が必要だよね。じゃぁ、その指標を作ろう!というのが私の研究の出発点であり、ゴールでした。
ベースは筒井孝子さんが開発した患者分類法2を用いて看護を定量化し、DPC/PDPS点数に対する比率の度数分布を面積として評価し、そこから得られる期待値を指標とする数学的モデルを考えました。
まぁ、ここで詳しく書いても仕方がないので割愛しますが、その分析の課程でいろんなことが分かりました。
まず、看護量が赤字になる患者さんとはどのような患者像なのか。
一つは「死亡退院」。死亡退院の際には救命的に医学的処置も多く、ADLも低下するためケア量も多くなる。結果的に赤字。DPCコードでは死亡による分岐は考慮されていないので、当然の結果かと思います。(「死亡退院だったら点数上げる」ってのはモラル・ハザードが怖いしね)
次に「全身麻酔」。全麻の術後も死亡退院と同じく、疼痛管理などの医学的処置とADL低下が同時発生するからですね。「手術は出来高算定やん」という意見もあるかと思いますが、出来高算定部分て主に手術室の手技料など手術室内で行われる医療処置が出来高算定なだけで、帰室してからは包括対象になっちゃうんですよね。加えて言うとDPCの樹形図に「手術」による分岐がありますが、こと看護の側面から見ると「麻酔法」による分岐があるとありがたいんです。術後のケア量にだいぶ違いが発生しますから。
そして3つ目。「(がんの)Stage」。とりわけStage0から2までの早期がん。これはまぁ、早期がんは外科的手術が選択される場合が多く、Stageが進むに連れて化学療法や放射線治療などの低侵襲性治療に移行していくからと思われます。重回帰分析したとこと、「麻酔法」との相関性はありませんでしたが、なにかしらの因果関係が推察されます。
これらに当てはまる患者さんは、語弊を恐れずに言うならばケアの持ち出しの患者さんと言えるのではないでしょうか。
 
そんなような研究をずっとやっていました。

(つづく)