後期が始まりました

本当に久しぶりのエントリーです。
博士課程に入学してからというもの、月に2回のゼミのための上京、そして研究計画の立案や倫理審査のような手続き的なもの。そしてなにより研究に必要なデータ収集に苦労していてとてもblogを書けるような余裕が無かったのです。
後期が始まり、この半年は最低月に3回の上京、そして医療情報学会での口演発表も控えていて、前期以上に多忙となることでしょう。
 
そんな中、同じゼミの仲間から一通のメールが届きました。
内容は「前期で退学しました」とのこと。精神的に参ってしまったと。
確かに、月2回のゼミに加えて修士課程は平日夜間に授業があるので、最寄りのキャンパスまで1時間かけて遠隔授業を受けに通う生活はやはり肉体的にも精神的にも相当ハードだったんだと思います。
 
だけど、せっかく情熱を持って入学したのだから半期で諦めちゃうのは本当にもったいないと思います。
出来ることならゼミでのディスカッションを含めて、当ゼミのみんなで力を合わせて助けてあげたかった。
もっと言えば、博士課程の私がもっと積極的にTeaching Assistantとして気にしてあげればよかった。
 
多くの人が「ゼミはファミリーだ」と言います。
家族が1人減ってしまったのは本当に淋しいです。
博士課程と修士課程の違いはあるけど、同期として親近感を持っていただけに・・・。
 
久しぶりのエントリーがネガティブなネタでごめんなさい。
 
彼に「頑張ったね」と言ってもらえるように、研究に邁進するつもりです。

メモリ解放ツールempty.exeが具合いいかも知れない件

電子カルテがちょいちょいフリーズして、ずっと難儀してました。
大半は電子カルテのバグというかメモリーリークのような動作の印象があり、バージョンアップや(電カルの)修正プログラムの適用で一時期よりはだいぶマシになったのだけど、いまでも散発している。
特に、このところ特定の診療科で2週間に一度ぐらいの間隔で発生しており、ドクター曰く「使ってるとだんだんと遅くなってきて、結局フリーズする」との声が聞かれたので、パフォーマンスモニタにメモリログを取るデータコレクタセットをセットして様子をみていたのだが、今日は別の端末でフリーズした。
もう、データコレクタセットで様子を見ていては埒があかないので、メモリにあたりを付けてメモリ解放ツールをYahoo!でググった。
Macなら常駐して適宜開放してくれるアプリがAppStoreにゴロゴロしてるので、Windowsにも無いのかな〜と思って。
んだば、Windows Server 2003 Resource Kit Tools に含まれるempty.exeというツールを発見したので、早速Pathの通ってるsystem32直下に入れてみた。
Windows Server 2003 Resource Kit Tools
どうやら単品を叩いただけでは動かず、batで

@echo off
empty.exe *

といった具合に開放対象を指定してあげなきゃいけないらしい。本来の利用方法は以下。

empty.exe {pid | task-name}

特定のプロセスだけ開放するのが目的で、全開放するにはアスタリスクを引数にする必要がある。
メインメモリの適正な管理が出来るempty.exeの使用方法について
 
で、診療情報管理室の数台で試してみると、これが結構効果的。最大で400MBぐらい開放される。アプリ起動中でも問題ない。
マイクロソフト謹製にしてはいい出来具合だw
だもんで、タスクでこいつを定期的に実行してあげれば良さ気。難点はbatだと一瞬DOS窓が開くので、タスクで引数渡して静かに裏で実行させてあげなきゃな。
というわけで、どうやってタスクを配布するか調べたら、USのマイクロソフトに資料がありタスクの設定がコマンドライン可能なことを知る。
Schtasks
 
パラメーターの指定に小一時間悩みましたが、とりま完成。たった一行w

schtasks /create /tn empty /tr "empty.exe *" /sc minute /mo 5 /ru system /rl highest /f
※診療情報管理室でのテスト用に5分間隔での実行

しばらくテストして、調子悪い端末から配布予定。

既に行き詰っている件(笑)

さて、大学院の博士課程に進学してもう2ヶ月が過ぎました。
現在は博士学位論文審査に必要な副論文の準備をしています。副論文が査読付きの学会誌へ原著論文として掲載されることが要件なんです。ま、どこの博士課程もそうでしょう。「英語論文一編」が無いだけでだいぶ助かります。
 
副論文の研究計画は決まったのですが、「複数病院の」「DPCデータ」が必要なのです。
一施設(例えば自分の病院)のデータだけだと原著論文には弱い。なので複数施設のデータが必要なのですが、なにせDPCデータ。
そう安々と出してくれる類のものではありません。特にDファイルとFファイルはレセプトデータですから、悪意を持っていれば経営分析などに使えてしまいます。
なので、調査協力病院への根回しの段階で「無理かも」って言われてる。
 
公式な依頼文書を作って正面突破を図るしか選択肢がありません。
「当たって砕けろ」ですが、砕けた場合どうしようと考えると憂鬱で仕方ありません。
だって、博士論文ではもっと詳細にDPCデータを使う計画なので、料理したくても材料(DPCデータ)が無くては話にならないのですから。
 
はぁぁ、憂鬱です。

いんたーねっとえくすぷろーらーのぜいじゃくせいって知ってる?

この3日間、IE脆弱性対応に追われました。
ニュースになったから「どう対応するのかい?」という偉い人然り、「インターネット見て大丈夫?」という院内のみんな然り。
対象IEのバージョンが幅広い点を除けば、IEとFlashPlayerの双方の脆弱性を突いたリモートコードが必要だし、そもそもうちの病院IE8だし(確認されているのはIE9以上の標的型攻撃)wリスクは低いと言わざるを得ない、
 
なのに、最も情けないのが「ぺけぽん(XP)買い換えましょうよ(スペックも低いことだし)」って上申したのに「お金ないからダメ」って言ってた偉い人が急に「XP買い換える!」って言い出した。私に相談もなしに。
アホかと。アボガド。
穿った見方をすれば、こういうリテラシーが低くて偉い人をターゲットにした標的型攻撃と考えればすごい経済効果で、それはおそらく過去に類を見ないであろう規模だと思われます。(贔屓目に見てもBlasterと同等)
内需拡大って大事だしね(遠い目)
 
ま、そもそもそんな脆弱性を突く攻撃なんて日常茶飯事だしw、そんな柔いセキュリティインフラを作ってるつもりはないわけで、今回の脆弱性の仕組みを紐解けばそんなに危険じゃない。院内ネットワーク内に居れば。
ネット上の情報をでは、社内システムで利用しているにも関わらず「IE使うな」っていう情シス部門が居るらしいですね。素敵な仕事ぶりです。
http://www.asahi.com/articles/ASG515KP9G51UHMC003.html
そもそもくろめや火狐つかってもリスクはゼロじゃねぇしw
  
Domain配下から外れてAddon使い放題のブラウザを推奨してメリットあるんですかね?リモートコードが実行されなければそれでいいと。匿名Proxy刺して2chWikipediaの書き込みや編集してもおkとw。僕もそういうレベルで仕事したいです。(三井「安西先生、バスケがしたいです」のノリで)
 
でも、上述したような無知なステークホルダーが居るから、情シス部門が取れなかったリスクをhandleしてくれるわけで、そういった側面では非常に助かっている側面も否定出来ないのですが、院内に残された数十台のぺけぽん端末のセッティングは誰がやるんだw。
 
欲を言えば、patchはゴールデンウィーク明けにして欲しかったなぁという所だぞな。
つか、日本語ローカライズ版はでたのかな?

[博士課程]博士課程に入学しました

昨日、大学院の博士課程の入学式がありました。
人生の転帰には「期待と不安が入り交じった」と表現されることが多いですが、今の私は正直な所不安だらけです。
何が不安ってことはないのですが、漠然とした不安が私を包んでいます。
漠然とした不安なので、対処方法は「悩まないこと」です。だから悩まない!一つ一つクリアしていけばいいのだから。
 
今は、来週から始まるゼミで研究室のみんなと会うのを楽しみにしています。
(私の研究室には、修士11名と博士1名の総勢12名が入学したそうですが、社会人中心の研究室のため、入学式に出席したのは数名でした)
 
私の研究は、いますぐ現場の看護師さんに恩恵を与えるものでは無いのですが、10年後ぐらいに日本中の看護師さんのためになれば嬉しいなと思っています。
相変わらず、『いつも感謝。冷静に、丁寧に、正確に。みんなの夢が叶いますように』です。

博士課程合格しました

年初のエントリーで大学院博士課程進学を宣言した私ですが、先日無事に合格しました。
研究のテーマは、私らしく「看護」そして「DPC」です。
いや、違うな、「DPCと看護」と言ったほうが合うのかな?
出来高における入院基本料、DPCにおける調製係数1のようにStructureとしてしか扱われない看護をPerformanceで評価出来ないのかという研究をするつもりです。
 
入学もしていないのに既に課題が発覚していて前途洋々な船出ではないですが、別に博士号を取れなくてもいいやぐらいの気持ちで取り組んでみようと思います。
 
大事なのはOutcomeではなくProcessなわけで、Processに対して努力をする。
Outcome(博士号)が達成できなくても、それは努力が足りなかったんだと考えるぐらいの軽い気持ちで。
そう考えないとガラス細工の私のハートはパリンと割れてしまうだろうからw
 
そんな所存です。

中医協答申でハイケアユニットはどうなるか

昨日、中医協中央社会保険医療協議会)の答申が出ましたね。
 
重症病棟の削減目標のために看護必要度基準が厳しくなった点に興味がありますね。
7:1入院基本料の一般病床もそうですが、特定集中治療室管理料とハイケアユニット入院医療管理料の看護必要度項目がこれまでの「OR」から「AND」に変更になった点が大きいですよね。
まぁ、もともと一般病床が「AND」なのに、ケアユニットが「OR」だったのがおかしい訳で、実際に当院でも一般病床の基準は満たさないがケアユニット基準は満たすという患者さまを多く見かけました。
なので、異論を挟むつもりはありません。
が、しかし・・・。
 
答申の新基準になった時にICU・HCUの基準を満たす患者がどれぐらいになるのかを2013年4月以降のデータでシミュレーションしてみまたところビックリ!
結果としては

  • ICUはそこそこ確保できそう
  • HCUがかなりヤバい

という2点です。
とりわけHCUの基準到達率が30%近く下落しました。新基準の2(60%)ギリギリです。
 
で、今回の新基準で看護必要度の点数マトリクスを作ってみましたところ、当院では新基準A項目3点未満がA項目全体に占める割合が31%、B項目7点未満割合が36%という結果となり、どちらを強化するべきかのハンドリングの答えは出ませんでした。
別の視点からのアプローチとしては、「血圧測定」と「時間尿測定」が削除されたのが結構大きい。
というのも、HCU入室患者で旧評価表A項目3点だった患者さまのうち37%が新基準A2点になっています。ここでばっさり足切りされるので非常に大きいですね。
ただし、HCUは文字通りハイケアユニットであるからして、A項目が低い患者さまが入室してしまう入室基準がおかしい可能性も充分に考えられます。(当院にはHCU入室基準があります)
 
まぁ、どうあがいても診療報酬改定(答申の内容)は変えられないので、与えられたフィールドでやりくりするしかないのですよね。
なので、みなさんの病院でもHCUをお持ちの病院は是非シミュレーションしたほうがいいと思います。
経過措置があるとはいえ、来春からは今年の実績で算定されるので早く対応すべきじゃないかなーと思います。
 
と、ここまでエントリーした後で、一般病棟に入院している患者さんで新ハイケア基準を満たしている患者さまがどれだけいるか調べたら・・・
なんと!HCUの述べ入院患者数(人日)を上回る患者さまが一般病棟に居ました。ということは、新ハイケア基準で見ると「HCUに在室している患者さまの半数近くは一般病棟でいい患者さまで、ハイケアを必要とする患者さまが一般病棟に流出している」という事実が浮かび上がってきます。(もちろん、ある側面からの捉え方であり、病院のあり方を批判しているわけではないので誤解のないように)
そりゃ、一般病棟の看護師さんが大変だわと痛感します。