結局、看護必要度は入院患者数

7〜9月の看護必要度の統計グラフを眺めていて気になった点があった。
患者数に占める各レベルの占有率が、病棟によって差があるものの、病棟ごとではこの3ヶ月間あまり変化していないことだ。
ということは、「その病棟に入院する患者1人あたりの看護必要度はおおよそ一定である」と仮定することができるのではないか。
であるとするならば、看護充足率(=ナースの忙しさ)は単純に「勤務者数」と「患者数」によって左右されるということであり、そこに患者さまの状態(レベル)は影響を及ぼさないのである。
看護師の数が変わらないのであれば、単純に患者数によってのみ左右されるってこと。
 
試しに7〜9月のデータを元に「患者1人あたりの必要看護師数」を出してみると

A病棟 0.21±0.02
B病棟 0.22±0.03
C病棟 0.23±0.03
D病棟 0.26±0.02
E病棟 0.27±0.02
F病棟 0.34±0.03
G病棟 0.32±0.04
HCU 0.54±0.04
ICU 0.54±0.07
全体 0.33±0.12

という感じ。ICUを除くと、平均に対して10%の標準偏差。仮説はあながちハズレじゃないなぁという印象。
 
着目すべきは病棟によって平均が大きく違うことだ。
A病棟はがん病棟で緩和ケアやレスパイト中心で平均は0.21。
F病棟は例の脳外科病棟で平均は0.34。両者では1.6倍の差がある。
これは、A病棟では患者さま5人にナース1人。F病棟では患者さま3人にナース1人が必要であるということだ。
当然F病棟のほうが入院患者数の影響を受けやすいってわけだ。
これは、やもすると、ナースを増やすよりも病床利用率を下げたほうが効果的ってことなのかなぁ?