医療機関にSuitはいないのか

労働者の分類として代表的なものは「ホワイトカラー」「ブルーカラー」だと思う。
ところで最近流行りなのが「Suit」と「Geek」。「Suit」はホワイトカラーとほぼ同意で、スーツ着てホワイトカラーのシャツを着ている人たち。「Geek」は日本語にすると「オタク」、とりわけ「コンピュータオタクである技術者」と解釈してよいだろう。
日産のカルロス・ゴーンはSuitであるし、googleのラリー・ページとセルゲイ・ブリンGeekだ(たぶん)。ではAppleスティーブ・ジョブズはどちらか。私は「Geek上がりのSuit」「Geekをベースに持つSuit」という印象を持っている。だがスティーブ・ジョブズに関して言えばGeekな側面はどうでも良い。
注目するべきは「なぜアップルにできたことがソニーにはできなかったのか」のエントリーにあるとおり

スティーブ・ジョブズはエンジニアではなくマーケティングの天才。その意味ではギーク側の人ではなくスーツ側の人だが、普通のスーツ側の人と大きく違うのはギークの心をつかむのが天才的にうまいこと。そんなカリスマ性を持つリーダーがはっきりと方向性を示したからこそあれだけのことをこれほどの短時間に成し遂げることができたのである。

である。
筆者の言いたいことの本質は、Geekを上手に使ってこそSuit、自らが持つ技術をSuitに形にしてもらってこそGeekであると私は受け取った。
 
さて、話は変わって医療界。
医療界はホワイトカラー・ブルーカラーで分類すると全員がホワイトカラーだ。(白衣だしネ☆)
ではここでGeekの持つ意味を広義に解釈して単純に「技術者」として再定義しよう。すると医療機関におけるSuit・Geekの構成比はおよそ1:9程度になると思う。医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・・・みんなGeekに分類される技術者なのだ。Suitは事務職員だけ。ということは病院はGeekの集団であるといえる。構成比1:9の企業という視点で医療機関を見ると、これは常識で考えておかしい。一見「そんな会社もアリじゃね?」と思うだろう、それはほとんどベンチャー企業や中小企業の話であって企業全体ではほんの小さな部分集合に過ぎない。しかし世の中の病院はほぼ確実に1:9に近い構成比である。これは世間一般と比べて違いは明らかだ。
おかしい故に何がおきているか。日をまたいで整理していきたい。