81マスの中の戦争

タイトルはガンダムの「ポケットの中の戦争」にかけてみただけです。はい。
NHKのニュースウォッチ9を見ていたら、現役最高齢のプロの棋士の方を特集していました。
なんでも、プロの将棋会にはランク制があるらしく、その方は現在最下層のランクに落ちていて、目下のところ負けがこんでいる状況で、次戦の結果次第ではランク外に落ち、結果的に引退勧告(制度)の適用になるようです。
驚いたのは何十年もプロ棋士棋士としてやってきた現在でも若手プロと対戦して新しい戦術を学んでいると紹介されていたことです。
9×9の81マスの中で、当然ながら駒の数も決まっている世界の攻防でも「新たな戦法」「新たな一手」が編み出されて、例えプロ棋士でもそれを吸収していかなければならないって、実はすげぇんじゃね?と感じたのです。
ITの世界はハードウェアの進歩をベースに、それに伴う形でインフラやソフトウェアが日々開発されていて、ムーアの法則はいまだ衰えることを知らず、それはひいてはITの可能性は現在のところ無限大であるということができます。
そしてある面においてその流れの対極であるのが将棋だと思うのです。なぜなら、将棋盤のマスは広がらない、駒の絶対数も増減しない、そしてなによりその枠組みの中で何十年と研究されてきた、いわば「枯れてもおかしくない」ものであるからです。でも、その将棋ですら、今なお進化を遂げているらしいのです。
なんと驚くべきことでしょうか。
それと同時に思ったのは、「結局、仕組みを作った人が勝っている」という言葉です。このフレーズは勝間和代さんの本で読んだのかな?
技術の進歩、社会における情勢や価値観の変化、それらを上手に咀嚼し活用していくことも大事だけれども、与えられたフィールドの中で「新しい一手」という仕組みを作ることは忘れてはならないのです。
それは、勝ち負けを競うことが目的ではなくて、ただ単純に自分がeffortし続ける種として心のポケットの中に入れておくべきことかなぁと思うのです。