災害時の携帯電話のTCP/IPパケットの信頼性
教授からの宿題の、「災害時は携帯の会話機能は使えないと考えるべきですが、メールも使えなくなります。その点調査しておくように」について調べますた。
とは言っても、TCPがコネクション型であるからして伝送経路上でパケットが紛失することはまずないわけで(「ない」というか再送制御される)、フロー制御、輻輳制御、遅延応答確認などトラフィックが増大した場合にも適切に制御を行う機能が備わっているわけだ。
だもんでちょっと視点を変えて分離制御の状況について調べた。
分離制御とは携帯電話端末の音声網とデータ網の制御を分離する仕組みであり、これにより音声通信にのみ発信・着信規制とかけ、データ通信は規制なく通信を送れるのである。
下が平成17年6月の対応状況と契約者数。
契約者数 DoCoMo 第二世代(Mova) ○ 35,719,400(人) DoCoMo 第三世代(FOMA) △ 13,710,200(人) au 第二世代(cdmaOne) ○ 1,399,500(人) au CDMA2000 1X △ 14,404,000(人) au CDMA 1X WIN ○ 4,319,000(人) tuka 第二世代 ○ 3,556,700(人) Vodafone 第二世代 ○ 13,667,200(人) Vodafone 第三世代 × 1,299,400(人)
第三世代はauのCDMA 1X WIN機を除いてほぼ全滅。
今後、DoCoMoのFOMAが来夏に対応する予定。
auのCDMA2000 1Xは今春モデルから携帯は対応になったが網側が未対応のため意味なし。
Vodafoneは「対応予定」というだけで時期は未定のようだ。
とにかく第三世代携帯は分離規制に対応していないため、災害時などに発信規制されたらほぼその機能を失うと言っていい。
実際、17年7月23日の千葉県北西部地震ではDoCoMoが50%の発信規制を129分間、auが85.0%で214分間行っている。auなんかほとんど使えないわな。
新潟県中越地震で「携帯メールは災害に強い」と言われたが、あれは第三世代ユーザーが少なかったからであって、千葉県北西部地震では第三世代ユーザーが多かったらしく繋がらない人がたくさんいたみたいだ。FOMAかCDMA2000 1Xだったんだろう。
災害時には第二世代携帯か、CDMA 1X WINが強い。
あと、違う理由でVodafoneも強い。なぜかと言うと、回線に比べて契約者が少ないから通話が殺到しても規制がかかるレベルに達しないので、災害時でも規制されないか規制されても数分間で済むから、そもそも分離規制が必要ないのだ。悲しいVodafone。というわけなので私は安心してVodafoneを使う。_| ̄|○
まぁそんなところをまとめて教授に送った。