手術ロボットがデモに来た

昨日は私の職場の病院の病院祭でした。
これまで、スタッフとして参加するばかりでしたので、今回は嫁さんと子供と一般客(サクラとも言う)として参加してきました。
あまり目立ってはいませんでしたが、当院が来年度に「導入できたらいいなー」と考えているらしい手術ロボット「ダ・ヴィンチ(da Vinci)」のデモ機が来ていました。

ダ・ヴィンチとは以下の解説が詳しいのですが、手術するロボットです。直接手を動かすのではなく、ロボットアームを操作して手術を行うシステムです。
http://www.matsunami-hsp.or.jp/iryou_jyohou/davinci/index.html
まぁ、使った感じとかはよくわかりませんが、一見鏡視下手術のようにもみえますが、医師の動作モーメントが直接的には一切加わらず、一度電気信号に変換されているという観点からすると非常に画期的です。手術はその字のとおり「手の術」であり。手術の技量を「腕」と表現していましたが、これからは「手の動作を変換して伝えるシステムによる術」などとなるかも知れませんね。(ならないよ)
 
さて、私もこの機械を見ていろいろ想像しました。医療関係者としての視点よりも工学者として。
この機械が求められ、そして実装したものは、奥行きを表現するための3D映像技術、ロボットからの適切なフォースフィードバック技術、医師の動作を正確に伝えるための信号変換技術を含めたモーターやサーボの正確性と信頼性、挙げればきりがないですね。
「おそらく中身の多くは日本製なんだろうなー」となんとなく思いました。
「物づくり」のなかでも高い品質を求められる製品に関しては日本にアドバンテージがあります。小さくはiPod Touchのメタルカバーの削り出しや、大きくはBoeing 787の複合炭素繊維技術。そして、今回の例のようなロボットを制御する技術と、きちんと制御されるロボット側の技術、その2つを司る演算処理技術や組み込み技術。やっぱり日本てすごいよなぁと思うわけです。
開発するのはアメリカ、品質を上げるのは日本、大量生産でコストを下げるのは中国などとよく言われますが、その品質管理技術の多くが海外に流出しているのは大きな問題です。しかし、究極的な高品質のものの多くは日本でしか作れないのだと思います。日本はそれだけのポテンシャルは持っているのですから。
 
などと考えていたら、「ソフトウェアをこの(上記の)視点で見たら、開発するのはアメリカ、高品質で大量生産するのがインド方面という具合で、日本の居場所がなくなっちゃったのかもなー。富士通スパコン『京』も、ソフトウェア技術と言うよりハードウェア技術や並列演算処理技術やしなー」と思いました。そんだけ。