医療情報部は夢か。果たして僕らは役に立ったのか

今朝、僕はうなされた。
以下、夢のなかでの出来事。
僕は復職して、通い慣れたドアを開ける。そしたら同時に地域医療連携室の人が入ってくる。「あれ?そこは君の部署とは違う部屋だよ」と思いながらデスクのある部屋に入る。
すると、そこには僕の机はおろか、チームのみんなの机もない。知らない人たちが座っている。そこで僕は絶望を感じる。「あぁ、僕らは追いやられてしまったんだな」と。
 
この夢には伏線がある。
2週間前、BOSSに診断書を渡した際に、「部屋、移るかもしれないよ」と聞き及んでいたことだ。
僕らは電子カルテプロジェクトのためにそれまで医事課のお姉さんたちが休憩場所として使用していた部屋を半分に区切って使わせてもらっていた。
BOSS曰く、「役目を終えたのだから引越し先を探している。たぶん、離れの一室になるだろう」と。
うちの病院には離れた建物がひとつだけある。一階は訪問看護ステーションで、二階はボランティアさんたちの控え室だったり、看護学生の更衣室だったりする離れだ。看護学生もボランティアさんも、着替えや休憩が終われば院内に出ずっぱりだし、訪問看護ステーションのナースも訪問が主なので外回りの職種。基本的に離れは病院本来の用途ではない。ま、離れと言っても正面玄関から10メートルぐらいのとこだけど。
でも、その距離は僕にとっては絶望的な距離だ。
まず、病棟に遠い。これは致命的。簡単に足を運ぶことが出来なくなる。
第二に、優秀な診療情報管理士との距離が遠くなることだ。
そして最大のダメージは、「ウチの病院にとっては僕ら(医療情報を扱う人たち)の立ち位置ってこんなもんなんだ」という絶望感だ。
 
私の病院には以前は「医療情報課」というもにがあった。だけど今は無い。時代に逆行しているが、院内でのパワーゲームこそ全てという偉い人達の抗争の結果、医療情報課は解体された。
当時は、僕の信頼する有能な診療情報管理士と一緒に仕事が出来ていたのだけれど、彼は医事課職員になった。診療情報管理士なのに医事をやっている。
彼は僕より年下だけど、彼には僕の上司になって欲しいと思っている。愚直に職務を全うしながら、心には熱い想いを持っている。そんな彼なら僕は年齢など関係なく上司として受け入れたい。診療情報管理士たる彼の知識と、彼の頭の中にある「診療の質」の評価アルゴリズムを僕が具体化したと思っている。
すこし話を遡ると、1年前に僕の親友が病院を辞めた。それまで思っていた理想像は、今のBOSSがトップで親友がナンバー2(彼は弁舌がたつし、彼の考えは医療の王道だから参謀役として怖いもの無し)、そしてその下に僕と有能な診療情報管理士が肩書きはどうあれ対等にそれぞれ(医療情報と診療情報管理)の職務を全うする、そういう未来像があった。
しかしながら、親友は病院に絶望し、残された僕らも、僕は戦線離脱し、診療情報管理士の彼は相変わらず医事課だ。そして、僕らの描いていた夢はBOSSにのしかかってしまっている。
サンフレッチェ(3本の矢)でBOSSをもり立て、更には病院の診療の質(おまけに経営の質)を向上させようという願いは、夢半ばで潰えたかに見える。
でも僕は諦めていなかったんだ。
この電子カルテ更新で、医療情報を扱う僕らの評価が少しでも向上し、僕と診療情報管理士の彼が一緒のセクションで働ける日を楽しみにしていた。
そのための道具は揃えたんだ。どんな情報であっても意味付け(メタデータ化含む)し、それをニアリアルタイムで引き出し、そして可視化する。これが出来れば年単位での質評価なんてそのおまけと言っても過言ではないぐらい。
 
だけど、結果は「離れ」。島流しと言っても過言ではないだろう。
僕は心を病み、彼には負担をかけて、その結果がこれだ。泣けてくる。
外来に遠くて何が医療情報管理だ。受付に遠くて何が情報管理だ。病棟に遠くて何が診療の質だ。医療情報技師と診療情報管理士が建屋を別にしてなにが出来る。
所詮、僕らのやてきたことはその程度の評価だということなんだ
そういう事でうなされた。
 
復職はしたい。看護部長、看護副部長はじめ看護部のみんな、そしてBOSSやチームのみんなが待っていてくれる。だから戻りたい。
でも、僕らの頑張りは所詮その程度の評価だったんだと思うと、今の病院に執着することもないのかなぁと本心で思う。
 
医療情報にかける熱い想いをと気概をお持ちの方。今なら格安で身売りしますよ。
 
「いつも感謝。冷静に、丁寧に、正確に。みんなの夢が叶いますように」