初恋の人からの手紙

初恋の人から手紙が届きました。

江頭くん、ひさしぶり。
もうミニスカートを見ると「けしからん」と言うクセは治りましたか?毎日のように怒っていた江頭くんをなつかしく思います。

江頭くんが少しモテる私に嫉妬して「おれは軽い女は嫌いだ」と強がりお別れすることになったあの日から、もう20年が経ったのですね。月日が流れるのは早いものです。

お手紙を書いたのは、とくに用事があるわけではないんです。ただふと思い出して懐かしかったので、思いつくままに手紙に書こうと思いました。ふふ。驚いたかな?

あのころを思い出すと、私たちって喧嘩ばかりでしたよね。特に江頭くんはとても攻撃的で理屈っぽかったのを覚えています。「おれのどこが好き?」っていう質問も、女の私ではなく、江頭くんのほうからよく聞いてきましたね。私が「好きな気持ちに説明なんかつけられないよ」と言うと「それは好きとは言わないんだ!」と怒っていたのが印象的でした。伝え聞いたクラスの女子はみんな「別れなよ。危ないよ」って言ってましたけど(笑)。

そういえば江頭くんにとっては私が初恋の相手だったのかな?私は3人目だったかと思います。最初のころ、まだ何も言ってないのにいきなり「おれはキスしたことがある」とか言い出しましたよね(笑)。手をつなぐところから手汗がすごかったのに。嘘バレバレでかわいかったですね。

江頭くんは告白のとき、「おまえのためなら死ねる」って言ってくれましたよね。もちろん私はとても江頭くんのためには死ねないと思っていたけれど、そう言ってくれた江頭くんの真剣な顔は今でも忘れていません。少し忘れたいです。

恋愛を総合的に考えれば、私は江頭くんと付き合えたことを、とても感謝しています。つらいことをつらいと思わなくなったのも、イライラをうまく忘れられるようになったのも、江頭くんのおかげです。

いろいろ書きましたが、私は江頭くんが大好きでした。これからも江頭くんらしさを大切に、夢のドS女性を探しながら(笑)、いつか幸せになってください。

またいつか会いましょう。では。

P.S. 将来マッチョになるって言ってましたよね?どうなりましたか?

一時期だけど、めっちゃマッチョになったよ。うん。