データの二次利用

今月初旬から職場復帰を果たして、まぁぼちぼちやっています。
ぼちぼち何をやっているかというと、主にサーバメンテとかの中の人仕事です。
DMZ上に置いてあるMTAも古くなってきたので代替え機のセットアップや、お守りをしなければいけないサーバ群のケアとか。
 
でもまぁ、そんな感じでゆっくりやろうと思ってたんだけど、どうもそうは行かなくなってきたよ。
 
看護部の副部長から「看護充足率だしてくれない?」って頼まれたんだ。
以前のシステムならパラメータ設定だけですぐにデータが出せた。
でも今は出ない。
何が大変かっていうと、今回のシステム更新で、看護必要度の評価は看護指示として実施情報として残すことにしたんだ。これは言っている意味分かんない人が多いだろうな〜。
分かるひとだけ読んで、分からない人は次の段落へ行ってくれ。看護必要度は「記録」を元に評価しなければならない。逆にいうと記録がなければ評価の根拠が無いわけよ。なので、評価をオーダーとして毎日発生させ、それを実施することで評価とする。診療諸記録とするわけだ。
 
まぁそんなことはさておき、昨日、某大学(私が通った大学の医学部)の人が来て、ウチの県で広域電子カルテやりませんかということで説明に来ました。
要旨は「大学と二次医療圏の中核病院とをネットワークで相互参照しましょ」という話。
ま、論外。
大学病院からしてみれば二次医療圏の中核病院が顧客だけど、顧客の側から見れば大学病院は顧客じゃない。語弊を恐れずいうならば「対等もしくはより小規模な病院」こそ顧客なんだよ。だって、大学病院に紹介して仮にウチの病院のCTやMR見る?見ないでしょ。だって自分ところでもう一回撮影するもん。
だから、そんな構想に価値はないのよ、顧客側としては。それがイマイチ大学側は分かっていない。それはしょうがないことだけどね。
 
で、ここからが本題。
大学の先生達が来て「おたくの病院の電子カルテどうですか?」と聞くわけよ。
あ、もちろん大学から先生がくるから対応は副院長とかで、私は末席よ。
電子カルテプロジェクトのリーダーの副院長はこう言う。
「使い勝手わるいところもまだあるし、データの二次利用がイマイチでねぇ」と。
そうなんです。あれほど気合入れたデータの二次利用がうまく行っていないのですよ。
序盤で書いた看護必要度とかね、必要度は枝葉末節かもしれないけど二次利用DBにデータが落ちてこないってのは笑っちゃうよね。落ちてきて当たり前だもん。
どんなデータでも落ちる。これが大前提よ。
でも、大学のセンセイたちは「え?データの二次利用?それは求めすぎじゃないですか?ウチだったデータの欠落とか普通ですし、二次利用をきちんと出来ている病院なんてまだ無いでしょう」なんて言うんよ。
 
もうカチンと来ちゃってね。くそー!と。今月中には二次利用にほとんどのデータが落ちるんよ。見通し立ってるのに、ガツンと言えないところが忸怩たる思いだった。
 
更に話はもどるけど、看護筆淀評価を実施データとして扱う。それは患者ごと、日付ごと、評価項目ごとで1レコードになっているデータを、この数週間でオートマチックに集計出来る目処が立ってきているのよ。
これは本当にすごいことで、自分が考えるアルゴリズムを設計すればそのデータがニアリアルタイムで出ちゃうんよ。
 
だから、僕は大学のセンセイたちを見返したい。二次利用出来ないなんて言うのはベンダーお仕着せのシステムを導入して、臨床も「使えねぇ」っていう電子カルテ、事務方も「使えねぇ」って言ってる経営管理システムを使ってる人たちを。
僕らは夢物語とみているんじゃない。なにをどうすれば目的に辿り着くのか。それは時間がかかるかも知れないけど、お金をかけて辿りつかないよりも、一歩ずつブラッシュアップする道を選んだんだ。
 
でも、まだ完全にデータ落ちてこないし(←ここがツッコミどころ)、データを生成するロジックを作るのは大変でさ。
事務方の「看護師数は足りてるよね?」っていう見た目上の数字に対して、毎日の看護必要度から算出する忙しさが出せないのがもどかしくてね。頭の中にはロジックがあるのに。
主治医には「まだ半日だからね」って言われているのに、仕事しちゃう自分がいる。だってさぁ、看護部長に「私たちが積み上げたものがあるじゃんねぇ」っていう一言を言われると、「ここだけは」って思ってしまうのです。
たぶん、喫緊に具合悪くなると思うんよ。でも、今は看護部のために二次利用。出来るところまでやる。

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