中医協答申でハイケアユニットはどうなるか

昨日、中医協中央社会保険医療協議会)の答申が出ましたね。
 
重症病棟の削減目標のために看護必要度基準が厳しくなった点に興味がありますね。
7:1入院基本料の一般病床もそうですが、特定集中治療室管理料とハイケアユニット入院医療管理料の看護必要度項目がこれまでの「OR」から「AND」に変更になった点が大きいですよね。
まぁ、もともと一般病床が「AND」なのに、ケアユニットが「OR」だったのがおかしい訳で、実際に当院でも一般病床の基準は満たさないがケアユニット基準は満たすという患者さまを多く見かけました。
なので、異論を挟むつもりはありません。
が、しかし・・・。
 
答申の新基準になった時にICU・HCUの基準を満たす患者がどれぐらいになるのかを2013年4月以降のデータでシミュレーションしてみまたところビックリ!
結果としては

  • ICUはそこそこ確保できそう
  • HCUがかなりヤバい

という2点です。
とりわけHCUの基準到達率が30%近く下落しました。新基準の2(60%)ギリギリです。
 
で、今回の新基準で看護必要度の点数マトリクスを作ってみましたところ、当院では新基準A項目3点未満がA項目全体に占める割合が31%、B項目7点未満割合が36%という結果となり、どちらを強化するべきかのハンドリングの答えは出ませんでした。
別の視点からのアプローチとしては、「血圧測定」と「時間尿測定」が削除されたのが結構大きい。
というのも、HCU入室患者で旧評価表A項目3点だった患者さまのうち37%が新基準A2点になっています。ここでばっさり足切りされるので非常に大きいですね。
ただし、HCUは文字通りハイケアユニットであるからして、A項目が低い患者さまが入室してしまう入室基準がおかしい可能性も充分に考えられます。(当院にはHCU入室基準があります)
 
まぁ、どうあがいても診療報酬改定(答申の内容)は変えられないので、与えられたフィールドでやりくりするしかないのですよね。
なので、みなさんの病院でもHCUをお持ちの病院は是非シミュレーションしたほうがいいと思います。
経過措置があるとはいえ、来春からは今年の実績で算定されるので早く対応すべきじゃないかなーと思います。
 
と、ここまでエントリーした後で、一般病棟に入院している患者さんで新ハイケア基準を満たしている患者さまがどれだけいるか調べたら・・・
なんと!HCUの述べ入院患者数(人日)を上回る患者さまが一般病棟に居ました。ということは、新ハイケア基準で見ると「HCUに在室している患者さまの半数近くは一般病棟でいい患者さまで、ハイケアを必要とする患者さまが一般病棟に流出している」という事実が浮かび上がってきます。(もちろん、ある側面からの捉え方であり、病院のあり方を批判しているわけではないので誤解のないように)
そりゃ、一般病棟の看護師さんが大変だわと痛感します。