「なかったことにする」

大変ワタクシ事ながら、昨日39歳の誕生日を迎えました。
ま、それとは直接関係ないのですが、39歳というと「もう来年は40か・・・」と思ってしまうわけです。
そう思うだけなら良いのですが、やはり30代の出来事をどうしても振り返ってしまう。
仕事の面においては電子カルテ更新という中で、大きなリスクを背負ったミッションを経験し、今ではいくつかの大企業さんの事例として取り上げられるほど成果を上げた部分もあるけど、その一方で基幹システムの使いにくさは依然として残っている日なたと影がある。
成功した部分はそれはそれとして評価してもらえることはとても嬉しいのだけれど、影の部分に向き合うことが出来ない自分もいます。
更には、20代後半で経験した私生活での事象も未だに自分の中で昇華させることが出来ていません。
 
そんな中、つい数日前に私の親友がBlogの中でこんな事を書いていました。

その時に知った2つのことは「全勝を目指すな。負ける時があってもよい」ということと、「悪いことはなかったことにする」ということであった。
実はこのことは何で学んだかというと、麻雀からなのれす。ふまじめでずびばぜむ。
(中略)
ひげめがねの好きな将棋は、勝ちか負けしかない。人生も半ば同じようなものと考えていた。そんなひげめがねにとって、「負けてよい局、闘わなくてよい局がある」という事実は衝撃的なことであった。
そして麻雀番組を見ているうちに、解説者の梶本琢程氏が、「ツモ牌でいろいろな可能性ができて悩んだときは、そのツモ牌を切ることで、なかったことにする」という表現したときにも衝撃が走った(後に知ることになるが。この表現は梶本氏の口癖であるようだ)。それまで過去のことを「なかったこと」にできなかったひげめがねにとっては、「そんな考え方もあるのか!」と目からうろこが落ちた。

そう、私は「なかったことにする」という気持ちの切り替えが出来ない人間なのだ。分かって入るけれどできないから仕方がない。
だけれど、「なかったことにする」ことによって良い方向に向くことができるようにしなくちゃいけないよなーってここ数日考えてた。
 
で、話は変わって、今このBlogは琵琶湖のほとりのホテルの一室で書いています。
というのも、企業が抱えるビッグデータの活用についてのユーザーシンポジウムがあり出張してきています。
まぁ、当院が使っているビッグデータの活用ツールは以前のエントリーに書いたとおり大企業がこぞって使っているツールなので、シンポジウム自体も超巨大。
ことしは特別講演として、元陸上ハードルメダリストの為末大さんの講演がありました。
正直あまり期待はしていなかったのだけど、良い意味で期待は裏切られ、氏の成功と挫折、そして挫折からのカムバック、メディアはあまり取り上げない挫折の部分を踏まえて日なたの映像(メダル獲得時のレース)を見ると、まったく陸上に縁が無い私でもウルウル(;_;)しちゃいました。
 
そして、氏の挫折からの復活の過程の中で思わぬ言葉が出ました。

「昔のことはなかったことにする」
「苦しい時は何もなかった頃に戻る」

ああなんという。
偶然にしては出来過ぎです。
世界でメダルをとっちゃう人でも挫折があり、その中で「なかったことにする」ことが復活のきっかけだったと言われちゃったのです。
もう決めました。39歳の今年は「なかったことにする」ということが出来るようになり、そのような人間的な強さを身につけて不惑の40代を迎えたいとおもいます。