電子カルテ端末が多すぎる弊害

拙Blogをご覧の皆様、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
このところ知的生産活動が低迷気味で更新が滞りがちでございます。
昨年11月にはロタウイルスに罹り、翌週には(おそらく)ノロかアデノウイルスに罹り、散々な年末でした。
 
そんなことはさておき、新年早々面白いエントリーを書きます。
おそらくどの病院も「電子カルテ端末足りない!」ってな病院が多いと思います。以前は当院もそうでした。日勤者の分しか端末が無くて、勤務終わりの看護師さんが記録を書くのに日勤者の空き待ちみたいな状況も少なからず発生していました。
この部分は2年前の電子カルテ導入で一つの大きな解決すべき課題として取り組み、結果当院は400床に対して端末が650台という病床比1.65台という「どこの大学病院や」ぐらいな端末があります。
各病棟の標準的な配置は以下の通り。

  • 医師用(高精細モニタ付き):3台
  • 看護師用ノート:12台
  • 医師・看護師共用デスクトップ:4台
  • 師長用1台
  • 事務用:2台
  • 患者説明用:1〜2台

 
着目すべきは医師・看護師共用デスクトップ:4台ですね。日勤者がノートでラウンドするのでそれは日勤者用として明確に位置づける代わりに、落ち着いて記録がかけるようにデスクトップを置いたのです。もちろん医師用端末が埋まっちゃってたらドクターも使える。いわばフリーな端末です。
病棟によっては患者さまから見えない位置に配置しています。これは、患者さまから見ると誰が日勤で誰が夜勤なのか分からないので当然声がかかりますよね、それを出来るだけ避けるために明けのナースが患者さまに呼ばれないように配慮しました。
で、私が目指したのは「パソコン待ち無く、早く記録して早く帰る」ことでした。これだけの台数があるので病棟から「端末足りない!」と言われたことは医師・看護師含めて今まで有りません。(`・∀・´)エッヘン!!
ま、その分ヒューレット・パッカードの安物ですけどね。でもモニタは21.5インチだお。見やすくていいんだお。
 
これが当院の電子カルテ端末の環境です。
そして、これだけの端末を揃えた当院では何が起こっているかというと、「端末がいつでも空いているのでいつでも勤務入り前の情報収集が出来る環境」があるがために、勤務入り前の情報収集のために早めに出勤してしまう看護師さんが出てきてしまったのです。
ひどい人だと、勤務が始まる1時間半前に病棟に来て情報収集をするんだそうです。理由を聞くと「心配だから」らしいです。
日勤は朝7時、夜勤は15時に来て勤務に備える。私や師長さんたちからすると「考えられない〜」ですが、そこまでのプレッシャーを感じて仕事しているナースも居るということ。
そして、潤沢に端末がある状況はそんな彼女たちの行動を助長する遠因になっているということを昨日知りました。
看護部付きの師長さんと「入院にかかる看護師の業務を以下に減らすか」について話していて、そのような話を師長さんがしていました。「パソコンがたくさんあるっていいことばかりじゃないのね〜」と言われ、そうだったのかぁ!と違う意味で目から鱗が落ちました。
 
ベンダーの名誉のためにも言っておきますが、当院の看護支援システムの使い勝手はピカイチです。
決して操作性が悪くて情報収集に時間がかかるわけではないのです。実際に15分前の出社で情報収集出来るナースも居るわけですから。
 
まぁ、多くの病院の皆様から見れば「贅沢な悩みだ」と思われるかと思いますが、看護師さんのために良かれと思ってやったことが裏目に出ている事実はきちんと受け止めて、次回の更新にはそのあたりも考慮に入れたいと思いエントリーとして残しておく次第です。
 
それでは新しい年が皆様にとって良い年でありますように。いつも感謝。冷静に、丁寧に、正確に。みんなの夢が叶いますように。
 

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