【QI】糖尿病患者の血糖コントロール

過去の手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率に続いて今度は糖尿病患者の血糖コントロールのQualityIndicatorを出しました。
あまりに簡単だったのでエントリーし忘れてましたわ。
糖尿病患者の血糖コントロール
 
分子と分母は以下のとおり。

・ 分子

  • HbA1c(NGSP)の最終値が7.0%未満の外来患者数

・ 分母

  • 糖尿病の薬物治療を施行されている外来患者数
  • 過去1年間に糖尿病治療薬が外来で合計90日以上処方されている患者
  • 除外

相変わらず計算手順は複雑です。

  • 手順1
    • 調査期間中に自施設で発行されたすべての退院時処方箋および外来での処方箋ごとに「別表:血糖降下薬リスト」に該当する薬剤の処方日数を計算する
  • 手順2
    • インスリンなど処方日数算定困難薬剤は1処方あたり処方日数30日として計算する
  • 手順3
    • 処方箋ごとに該当薬剤で最も長い処方日数をその処方箋の処方日数とする
  • 手順4
    • 処方箋の発行日が調査期間外で処方日数が調査期間内になる場合、調査期間内にかかる処方日数を日数計算の対象とする
  • 手順5
    • 処方箋の発行日が調査期間内で処方日数が調査期間外になる場合、調査期間内にかかる処方日数を日数計算の対象とする
  • 手順6
    • 調査期間中の合計投与日数の計算
      • 注1 処方日数の重なりや処方箋の発行日間隔は問わない
      • 注2 退院時処方箋は外来発行処方箋と同様に計算する
  • 手順7
    • 調査期間中に施行されたHbA1c(NGSP)の最終検査日とその値を求める
  • 手順8
    • 調査期間中にHbA1c(NGSP)が一度も施行されていない場合には最終検査日、最終値とも空白とし、分母からは除外しない
      • 注3 HbA1c(NGSP)最終検査日が初回処方日以前または処方

ま、術中抗菌薬よりもロジックは簡単です。
術中抗菌薬は1週間かかったけれど、血糖コントロールは作成1日、テスト1日で出来ちゃいました。抽出もポチって3分で完了。
 
ただ、これを手作業で抽出しようとすると超大変だと思います。なぜなら母集団が大きい。
当院で去年の7月1日から今年の6月30日までに血糖降下薬を処方(または注射)された患者さまは841人いました。
400床の当院でこれだけなので、大病院は1000人を超えると思うんですよね。これらについて「対象期間内の処方日数は何日?」「1処方箋内に複数剤あった場合は長い方を取る」、更にはHbA1c(JDS)の場合はHbA1c(NGSP)に換算する必要もあります。ま、Excel使えばそんなに大変じゃないと思いますが。
でも、開始日と終了日を変数で渡してポチれば3分で結果が出るのには敵わないでしょう。(笑)
と書いていたら、私が抽出したデータの検証をしているウチのBOSSが切れ気味です。やっぱり大変な作業らしいぞ。
 
ま、こんなエントリーをなぜ書いたかというと、求められているQualityIndicatorを提出期限内に提出したのが県内では当院だけという噂を聞いたからです。
先月提出分は私の作ったロジックで抽出できない部分があって、結局力作業だったので自慢できるものではないですが、診療情報管理室がしっかり機能しているということは評価されてもいいなと思うわけです。
 
最後に。
何度もいいますが、QualityIndicatorの算出ロジックが複雑すぎます。
これでは多くのQI(多くの側面)からその病院の医療の質を計ることの妨げになってしまいます。
そして、本来の目的を見失い「QIを出す」ことが目的になってしまうことを非常に危惧しています。
関係者の方には再考をお願いしたいところですじゃ。