QIプロジェクト指標の自動化!

なにやらこの春からQIプロジェクトなるものが始まったみたいですね。全国で85病院が参加しているみたい。
https://www.hospital.or.jp/qip/
で、当院もこの85病院の中に含まれています。ええ、QIを出すのです。
先月行われた説明会に行ってきた上司と診療情報管理チームのリーダーが持ち帰ってきた資料を見てびっくり。
インディケーター(指標)の少なさにも驚きましたが、出すべき指標の面倒くさいこと面倒くさいこと。
https://www.hospital.or.jp/qip/qi.html
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
説明を読み解くのに3人で1時間かかりましたよ。

手順1 同一入院期間中に複数回の手術が行われている患者を分母より除外する
手順2 手術申し込みが手術開始24時間以内に行われた患者を分母より除外する
手順3 帝王切開手術の患者を除外する
手順4 外来手術患者を除外する
手順5 術前に感染が明記されている患者を除外する(注1)
手順6 手術日-2日に抗菌薬が投与されている患者を分母より除外する(注2)
(手術2日前の投与は感染と考える)
手順7 手術日+7日に抗菌薬が投与されている患者を分母より除外する(注2)
(手術7日後の投与は感染と考える)
手順8 手術日-1日〜手術日+6日に抗菌薬が投与されていない患者を分母より除外する(注2)
(清潔手術を除外する)
手順9 手術日-1日〜手術日+2日に抗菌薬が投与されていない患者を分母より除外する(注2)
(術後3日目からの投与を除外する)
手順10 以下の3条件をすべて満たす抗菌薬を識別する(注3)
(大腸手術の経口抗菌薬計算処理を追加する)
  条件1 手術が別表?の手術
  条件2 抗菌薬名がフラジールまたはカナマイシン
  条件3 抗菌薬投与開始日が手術日-1日
手順11 手順?の条件をすべて満たす抗菌薬を除いた抗菌薬のうち、手術ごとに最も古い投与日時を計算する(注3)
(投与された抗菌薬のなかの最も古い投与開始日時を求める)
手順12 手術開始日時-抗菌薬投与開始日時が60分未満を分子とする
注1 手術ごとに手術創分類(清潔(Clean)、準清潔(Clean-contaminated)、汚染(Contaminated)、不潔・感染(Dirty-Infected)の区分が可
能であれば清潔(Clean)、準清潔(Clean-Contaminated)を分母とし、手順?、手順?、手順?、手順?、手順?、手順?、手順?、
手順?のみ計算する
注2 1手術あたり複数の抗菌薬が投与されている場合には「別紙:複数の抗菌薬投与の取り扱い」を参照のこと
注3 「別紙:手順??の計算例」を参照のこと

 
率直に言って「ふざけんな馬鹿野郎www」ですわwwww
QualityIndicatorのバイブルとして所謂「聖路加本」がありますが、これより遥かに面倒くさい。一回心が折れましたわ。
このblogを読んでくれている方の中にもせっせと作成している方も少なからず居るのではないでしょうか?超めんどいですね。
で、診療情報管理士さんたちが毎月毎月集計するのは大変だというわけで、例の三次利用システムというかETLツールでこのロジックを作りましたさ。
入力のデータソースとして

  • 手術申込
  • 手術実施
  • 麻酔記録
  • 術中看護記録
  • 入退院情報
  • 注射実施情報

とまぁ、こんだけあるわけですよ。これらのデータを統合・加工して、結局1週間もかかっちゃいました。
が、毎月数日を費やすことを考えれば十分Pay出来るでしょう。来月からはワンクリックで必要なデータが吐き出されて来るから、単純に件数を数えればいいだけなんだもん。
このIndicatorがワンクリックで出る病院は全国でもおそらくうちの病院だけではないかと思います。(外注してお金かけて作ってる病院もあるかもしれませんが・・・)
いやね、これって本当にすごいことだと思うんですよ。これだけのロジックをノンプログラミングで加工してアウトプット出来るっていうのは。手前味噌だけど、本当にすごいと思う。一般企業は当たり前のようにこういう仕組みを使っていることなんだけど。
これから
糖尿病患者の血糖コントロール HbA1c<7.0%
に取り掛かります。