ネットワークでつくる放射能汚染地図を見て。

遅ればせながら先日(15日)にNHKで放送された『ネットワークでつくる放射能汚染地図〜福島原発事故から2か月〜』をみました。
ネット上の原発界隈で非常に話題になっていたので、NHKオンデマンドの配信を待って、先ほど観終わりました。

福島原発事故は、周辺地域に未曾有(みぞう)の放射能災害を引き起こした。時間経過とともに拡大する避難エリア。住民たちが自分たちの村や町に、いつになったら帰れるのか、その展望は全く見えない。いま住民たちが求めているのは、被曝(ひばく)による人体影響と、今後の土壌汚染への対策を、客観的かつ冷静に考えてゆくための基礎となるデータ・放射能汚染地図である。
 
ETV特集では1954年のビキニ事件以来、放射線観測の第一線に立ち続けてきた元理化学研究所の岡野眞治博士の全面的な協力のもと、元放射線医学研究所の研究官・木村真三博士、京都大学広島大学長崎大学放射線観測、放射線医学を専門とする科学者達のネットワークと連係し、震災の3日後から放射能の測定を始め汚染地図を作成してきた。観測チームは、周辺地域の土壌、植物、空気中の粒子を採取し放射線量を計測する一方、岡野博士が開発した計測機を自動車に搭載して、福島県内の道路2000キロを走破した。この計測器はビデオで撮った現場映像とともにGPS情報、放射線量、放射性核種のスペクトルを、同時記録してゆくことができる世界唯一の機器であり、チェルノブイリ事故での計測により国際的な評価を得ている。
 
一方、文部科学省福島県IAEA、アメリカエネルギー省も、独自に汚染の計測を進めており、その結果が公表され始めている。これらのデータと、独自収集データをつきあわせることで、原発周辺地域のきめ細かい土壌汚染のマッピングが可能になる。
 
番組は、放射能汚染地図を作成してゆくプロセスを追いながら、原発災害から避難する人々、故郷に残る人々、それぞれの混乱と苦悩をみつめた2か月の記録である。

 
率直に素晴らしい、というか身につまされるというか、リアリティのあるドキュメンタリーでした。
私は長野県という福島から西の偏西風の風上の、更に山に囲まれた盆地に暮らしており、福島から関東にかけての地域ほど放射能にはナーバスにならなくても良い地域に住んでいます。
それ故、どうしても今回の原発事故の魔女探しというか、過去の与党である自民党、現政権の民主党らの政府、東京電力らの責任を追求し、廃止を含めた再発防止のほうにばかり眼が行っていたと思う。
福島原発がどうなっているかは、過日のBlogでの青山氏の動画によって知り得たが、その周辺の地域の状況はほとんど知らなかった。
情報が届かず高濃度の放射線量が観測されるホットスポットに身を寄せる集落の人々、作物を全て廃棄し収入が途絶えた専業農家の若旦那、一時帰宅から引き上げる車を追う飼い犬。全てが悲しい現実だ。
YouTubeに何回かに分けてうpられているので是非見て頂きたい。
こういう時の為にNHKオンデマンドへの入会(月額945円)もオススメする。
ちなみに再放送予定は以下のとおり。
<再放送>
5月20日(金)総合 午前1時30分(木曜深夜)
5月28日(土)教育 午後3時