DACS完成

先日のエントリーで、ジオタグを応用した無線LANデジカメの仕組みが出来たと書きました。
今回の電子カルテ更新にあたり、もう一つ導入したソリューションがあり、今日なんとか動き始めました。
 
PACSはPicture Archiving and Communication Systemsの略ですが、文書に派生させた造語としてあるDACS(Document Archiving and Communication Systems)を構築しました。
DACSは厳密には真正性を担保していなければならないので、本質的にはDACSとは一線を画しますが、当院のソリューションは以下です。
また、「DACS」は大阪大学附属病院と富士ゼロックスのソリューションの名前です。
 
まず、前提として当院の各部署・各病棟には至る所に某社の複合機(コピー・ファックス・スキャナ・プリンタ兼用機)が配置されています。
 
1.電子カルテに関わらず、スキャンの対象となる文書にトリガーとなるテキスト(具体的には「\\」)を埋め込みます。WordでもExcelでもNotepadでもOK。
2.診察室等で印刷ジョブをかけると、プリンタはトリガーを検知してトリガー以降の数値をバーコード化して印刷します。
3.最寄りの複合機にスキャンします。
4.複合機から文書サーバに配信され、文書サーバはスキャンした文書のバーコード(患者番号)を認識し、PACSサーバに投げます。
5.PACSビューワーでモダリティ指定で開けばスキャンした文書が見れます。
 
と、長々と書きましたが、人間の手間としては
1.印刷する
2.複合機にセットして「スタート」ボタンを押す
だけです。
 
1.文書の患者番号を確認して、患者さまのカルテ開いて(ここが一番手間)
2.文書をスキャナにセットして
3.電子カルテの「スキャン取り込み」を押して
4.カルテを閉じる
といった一連の手間と比べると圧倒的に早いです。間違って他人のカルテに貼りつけてしまうヒューマンエラーも防止できます。
なので、当院にはスキャンセンターは作りません。必要無いのです。
 
スタート時はタイムスタンプを押す(真正性の担保)まではお金がなかったので出来ませんでしたので、紙を元本として地下倉庫に保管しておかなければなりませんが、文書サーバに配信された時点でタイムスタンプを押して別のストレージに保管する仕組みさえ導入すれば真正性まで担保出来ます。
ここまで出来て完成といえますが、まずは現場の負担を減らすことが最優先ですので、今は満足しています。
あ、ちなみに電子カルテベンダーさんとはなんの関係もありません。ベンダーさんに作ってもらったのはモダリティ指定でPACSを開く入口だけ。あとは一切手を借りずに構築できました。
 
前回の無線LANデジカメと、今回のなんちゃってDACSの複合ソリューションはおそらく日本ではじめてだと思います。