年始早々・・・

このエントリーを書いている今日は1月10日(祝)であります。
皆様、新年明けましておめでとうございます。新しい年が皆様にとって良い年になりますよう心から願っております。本年も引き続き生温かくこのblogを見守っていただければ幸いです。
さて、新年一発目のエントリーが延びたのには理由がありまして・・・、ええ、新年早々に夫婦でインフルエンザに罹り寝込んでいた次第なのであります。
もう年が開けて10日も経つのに、まだ仕事をしていません。なんと長いNew Year Holidays!ヒャッハー
なんてことはどうでも良いですが、幸先の悪い新年だったことと、インフルエンザ予防には十分にご留意頂くよう私からの注意喚起でした。
 
で、今年最初のエントリーのネタは1日の夜から決まっていたのです。
それは、元旦の夜に放送された
NHKスペシャル 「2011ニッポンの生きる道」
が実に秀逸であったことです。
まずゲストが豪華。
ご存知ノーベル化学賞受賞の根岸英一さん
経団連副会長、コマツ会長の 坂根正弘さん
一橋大学教授の米倉誠一郎 さん
「デフレの正体」の著者の藻谷浩介さん
愛知淑徳大学教授の真田幸光さん

激しい円高、雪崩を打つ企業の日本脱出、雇用の崩壊。得意だった「ものづくり」でも“原発”や高速鉄道の受注競争などで、競り負ける場面が続いているニッポン。ニッポンが保持する“強さ”を確認しながら「安くていいモノを作ってさえいれば報われる」という、これまでの発想を根本的に変える局面にきていることを指摘。現場の取材を織り交ぜながら、どんな転換をしていくべきか、専門家らが提言する。

と銘打った国営放送の1年の開始にふさわしい内容でした。
僕がこれを見たのは根岸さんに興味があったのと、「ものづくり」というキーワードに惹かれたからです。ここでいう「もの」とは物質的な「もの」かのしれませんが、それだけでなく、ソフトウェアやサービスなど広い意味での「もの」に応用できないかと興味があったのです。
 
ところが僕の興味はいい意味で裏切られました。
番組の導入こそ「ものづくり」でしたが、日本経済の状況の分かりやすい解説、そして今後どのように対応していくのか、それらを分かりやすく解説してくれました。
このblogを読んでくれているあなた。NHKオンデマンドで数百円払えば見れます。これは是非見て頂きたいと思います。
私が最も印象に残っているのは、コマツの坂根さんの「協力企業とは事実上一体であり、セイムボートに乗っている。どういう意味かというと『苦を共にする』ということ」「一体なんだという意識を持って居ないと我々(大企業)も立ち行かなくなる」という言葉。
あぁなんと格好いいのでしょうか。ブルドーザー設計やっててなぜこんな人が出来上がったのでしょう。今の日本にもミラクルがありました。
 
さて、先ほどの言葉がなぜ印象に残っているかというと、とどのつまり電子カルテ業界、とりわけ病院側はセイムボート思想をどれだけ持っているかということに思いを馳せて「こんなんじゃいけないよな」って思ったからです。
もしかしたら電子カルテだけでなくソフトウェア全般に言えることなのかも知れませんが、ユーザーは神様、特に医師は神様。ベンダーもそう思ってるし、医師もそう思ってる。更には病院は神様だと、病院も思ってるし、ベンダーも思ってる。(笑)
「そんなの◯◯(ベンダー)に言って作らせろよ」とか「××機能がなきゃ糞の役にもたたねえよ」とか、全国の病院で口々に言っていることは容易に想像がつきます。なんと嘆かわしいことでしょうか。セイムボートwwwの世界です
 
ですが、今までの紙カルテに打って変わって電子カルテ化が避けて通れない、そして病院の大きなインフラストラクチャーとなっていくこれからの未来、今のままの考え方でいるような病院、本質的に保守的な病院というのは近い将来立ち行かなくなっていくのではないでしょうか。
電子カルテは病院の競争力の一部であり、より良い医療を提供するための仕組みのひとつであるわけですから、それを作り動かしている人々を軽視してはなりません。双方にパートナーシップが必要であり、まずは医療側が変わらなければなりません。
そのかわりベンダー側も真摯に現場のニーズと向き合い、理想像を共有し質の高い製品を提供することはいうまでもありません。作るだけなら中国でもインドでも出来るわけですから、そういった付加価値を付けて「良い品を高く売る」、要はブランド化していくこともこれから先は求められていく時代だと思います。(NHKスペシャルの受け売りですが)
「良い品を安く」で企業経営、日本経済が成り立っていた時代は終焉を告げようとしていることを強く意識することが大事です。
 
ということをインフルエンザの病床で考えておりました。
明日はほぼ2週間ぶりの出社です。延期になった電子カルテ本稼働まであと1ヶ月半余り。気合入れて頑張っていきまっしょい。