あと三ヶ月

10月になり、電子カルテのカットオーバーまであと三ヶ月となりました。
前回の更新時を大幅に上回るワーキンググループをやっているけど(20回を超えているWGもある!)、まだまだ見えてきていないものが多すぎて不安でいっぱいです。
それはWGメンバーも一緒で、不安の声を届けてくれるから、なんとかしたいのだけれどもこればかりは僕が開発するわけではないので、本当にどうしようもなくて辛いです。
カスタマイズ出来るお金がある大きな病院でもなく、与えられた機能のなかでやりくりする諦めもできず、高いポテンシャルを持つ可能性のある電子カルテベンダーにチャレンジしたのだけれど、こんなに高いリスクを背負うとは思っていなかった。これからの電子カルテの持つべき基本性能は非常に高いのだけれど、実際には開発(というか開発リソース)が追いついていない。
WGの主要メンバーは1年半前から検討に参加してくれた人たちであり、選定にも大きく関わっている。そのメンバーですら「それは今後のバージョンアップに期待すればいいじゃん」と思わせるレベルに達していないことが残念。ベンダーの体制も残念だし、それを見抜けなかった僕自身についても残念で仕方がない。
いま最も怖いのは患者さまに迷惑をかける自体になってしまうこと。開発リソース不足による機能不備というFactor、運用設計の不備というFactor、テスト不足によるバグ等のシステム単体のFactor、複雑に絡み合った部門システムとのインターフェースに起因するFactor。どのFactorについても安心することができない。
最も大事なのは運用設計(というか僕に出来ることはここまで)だけど、その他のFactorが心配すぎて運用に専念できない現状がとても辛い。
何を優先すべきなのかわからないから今何をすべきなのかがわからない。全体像を把握することに注力すると現場がおろそかになる。その逆も真なり。
正直、稼働三ヶ月前の僕の仕事は診療の質向上とか電子カルテデータの活用の根幹を設計する仕事を有能な診療情報管理士と一緒にやるつもりでいた。しかしながら現実はそう甘くはなく、打ち合わせすることもままならない。目指すものが同じであるということだけを支えにお互いが「任せている」という状況だ。
今直面している状況は少なからず僕の糧となるだろうけど、もう二度と味わいたくない経験であることは確かだ。前回の更新はマスタ作成とかで肉体的にキツかったけど、今回は精神的にキツい。
「モデル病院」になるか、言い方は悪いが「人柱病院」になるか、岐路に立たされていると思っている。
電子カルテ更新を検討している病院の皆様、あと半年後に僕に聞くといいですよ。良きアドバイザーになれると思います。もちろん、無償です。(笑)