ベンダー乗り換え決定

およそ一年かけて準備した次期電子カルテベンダーの選定ですが、結論からいうとベンダー乗り換えが決定しました。
まだ一般的になっていないのでベンダーの公表は避けますが、およそ一般的にメジャーなベンダーではありません。
当初はシェア分析からして網にも棒にも引っかからなかったベンダーですが、多くのベンダーの話は聞いてみるものです。思ってもいなかったところに宝はありました。
いえ、宝なのかはこれからの未来にかかっているのでまだ分かりませんね。
が、玉石混交(と言うほど石はないが)の中でキラリと光る玉であったことは現時点で間違いありません。
逆を言えば、なぜこのベンダーが埋れているのか不思議です。
埋もれいている理由は何かあるのかも知れませんが、僕のスカウターで計測したところ戦闘力は十分です。と同時に、当初対抗馬として見ていたシェアがあるベンダーの戦闘力がそれほどでもないのが驚きでもありました。
もちろんこれはあくまで当院の物差しで測ったものであるので多少の誤差はあるでしょう。しかし、6,000項目の機能に加えてお題を決めた提案書の総合評価で測る病院はごく少数に限られると考えられるので、要素数が少ないだけに正確なところは分かりません。
 
現時点で一つ言えること、それは明らかにハイリスク・ハイリターンだということ。
僕は友人曰く「石橋を叩いて壊す」タイプなので、余程のことが無い限り保守に回る=「現行ベンダーで行こう」派なのですよ。だから仕様書(機能確認書)が6,000項目弱になってしまったのです。
でも、その上で「これは玉かも知れない」と思わせたベンダーがあり、そしてそれは多くのプロジェクトメンバーもそう感じていたことは紛れも無い事実なのです。
この時点で私が準備してきたことが役に立ちました。「あくまでクリーンに中立に」をモットーにしてきたので、当初からデータ移行費用やネットワーク費用を分離しておいたため、純粋に「電子カルテのみ」の機能を評価することが出来たし、それ以外のことはプロジェクトメンバーは考えなくて良かったのです。これこそが当院が起こしたパラダイム・シフトであったと考えます。それはこの規模の病院であったから可能なのかも知れず、もっと小規模であれば人材不足、大学病院クラスでは組織の硬直化によって不可能だったのかも知れません。が、結局当院ではパラダイム・シフトは起こりました。
 
あとは結果としてパラダイムをシフトさせることが出来るかどうか、それに掛かっているし、それこそは僕が今の病院で果たす役目なのです。
 
以前からこのblogで、人生72年を24時間として考えたときにすでに正午を過ぎたと、そしてそれに対する焦りを何度か綴りました。
果たして人生の残り時間がどうなるか、それはこの電子カルテにかかっていると言っても過言ではないのです。
 
すべては患者さまのために、そして何よりこの病院のみんなのために。
 
失敗したら本を書きます。「できる!失敗電子カルテ」なんてね。