もう更新の時期です(T_T)

今年度から「次期システム」に向けての作業が始まりました。
こないだ稼働したかと思ったらもう4年目に入っているのですー。
 
ところで、信州はF社の独壇場と言ってもいいぐらいです。
なぜなら唯一の大学病院がF社だからです。
 
でも、私達はF社からの乗り換えを決断しました。
私達の望む電子カルテではなかったからです。
 
その点では、今の電子カルテベンダーにはある程度は満足していました。
当初の目標としていたことは達成できたからです。
 
しかし、これからの更新にあたって、ひとつ明らかにしておかなければならないことがあります。
この電子カルテが「みんなにとって使いやすい電子カルテであるか」です。
 
なので、現在の電子カルテの評価を他病院から赴任してきた医師・看護師にアンケートをしています。
 
結果の集計中ですが、やはり個人によって大きく好き嫌いがブレるのですよ。
まぁそもそも自分の病院の電子カルテは「最悪だ」という声ばかりがまかり通る世界ですからね。
断言しますが、医療者を満足させる電子カルテなど、少なくとも私が生きている間には登場しません。
医療の進歩は凄まじく、そのスピートに電子カルテがついていききれない点が一点。
そして、そもそも医療者(というか人間)の価値観てそれぞれ違うのですから、全員を満足させるなど到底不可能であるというのが二点目。
これらが理由です。
 
結局、五十歩百歩。より多数に「まぁまぁだね」と言ってもらえる電子カルテを選ばざるを得ないのです。
 
ただ、電子カルテ業界の地盤沈下は指摘せざるを得ません。
当院の電子カルテはユーザーの使い勝手をおいておくと、至って「当たり前」のことが出来ています。
それはそれでいい。
 
でも、営業もイマイチだしプロマネに至っては最悪だ。定例会にしか出てこなくて、その定例会までのタスクをこなしてない。
私はもう数ヶ月間定例会でほとんど発言していません。発言するだけ時間の浪費だから、いつも宿題をやってこない子に何を言っても私がどうこう出来るわけじゃないのです。
その人やその企業が私達をどう思っているかは別の次元ですから。
  
信州の地方病院の扱いなんてこんなもんですよ。
どれだけ新しいことにチャレンジして、どれだけ新しいモデルを構築したか、そんなことはおそらく評価されていないんでしょう。幾ばくかは広告塔にもなったつもりです。
ほんと、ベンダー変えたくなります。
 
でも、他ベンダーの地盤沈下も顕著で、とりわけ営業力は軒並み低下しています。(当社比)
 
もう、どうなってもいい。
「みんなが選んだ」と言えるのであれば。
 
ただ、「行くも地獄、ゆかぬも地獄」というジオン公国軍突撃機動軍シーマ・ガラハウ中佐が宇宙世紀0080年1月15日(ガンダム一年戦争終結直後)に残した言葉を思い出してしまう私は心配性。
 
お父さんは心配症

電子カルテ関連のエントリーまとめはこちらから
電子カルテベンダー乗り換え、データ移行の実際(当院の場合)はこちら
電子カルテバージョンアップにおける病院側の受け入れ体制についてはこちら

研究デザインが完全に行き詰まってしまっている件

世の中はゴールデンウィークだというのに、家にこもっている私です。
1日だけ家族サービスで、娘たちを水族館に連れて行ったら、館内が暑かったのか熱中症になりダウンしたりで散々です。(T_T)
 
さて、無事に博士課程も2年目に突入し、先日副論文となる論文を学会に投稿しまして、いよいよ博士の学位のための博士論文の準備にとりかかっています。
 
もともとやりたいことがあったから博士課程に進学したので、「このテーマで行きます!」とワクワクしていました。
やりたかったことは、「DPC/PDPS制度下で機能評価係数として定率で評価されている看護師のケアの量を、診断群分類別に分析し定率から脱却させるため」の研究です。
 
ネタとしては良いと考えていたのだけれど、教授と研究計画のデザインの詳細の打ち合わせで、「博士論文に求められるのは『独自性』と『新規性』であり、君の計画では『新規性』が欠けている」と言われてしまいました。
 
それから?週間、ずっと研究デザインについて悩んでいます。
今の課題は以下。

  • どういう結果が出たら研究のゴールなのか曖昧
  • 仮に結果が出たとして、それに対して「ふーん。だから?」で終わってしまう可能性が高い
  • そもそも『新規性』がない

 
まるで研究初心者のような状況。
「これが博士論文やなかったら、このデザインでOKなんやけど、博士論文は次元が別やからな〜」と教授。
 
最近は胃が痛くてたまりません。そうとう追い詰められています。

「重症度 、医療・看護必要度等に関する調査 」が泣ける件について

厚生労働省からの「重症度 、医療・看護必要度等に関する調査 」にハマっております。良い意味の「ハマり」じゃなく、悪い意味です。はい。
事前に以下の調査依頼が来ていて、私たち庶民の預かり知らぬところで「ええよー」と返事をしてしまったのが事の発端。

「重症度、医療・看護必要度等に関する調査」へのご協力のお願い-日本病院会-
https://www.hospital.or.jp/pdf/00_20150202_02.pdf
「重症度 、医療 ・看護必要度等 に関する調査 」の概要-日本看護協会-
http://www.nurse.or.jp/up_pdf/20150203151222_f.pdf

この依頼文を見る限り、「看護必要度の評価データとDPCデータと、それにちょびっと情報を付加するだけやんな」と気安く返事をしてしまうのも致し方ありません。
 
厚生労働省から日本病院会への依頼文では

「本調査では、DPC 対象病院から、DPC 算定病床(入院基本料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料を算定する病床)の入院患者について、重症度、医療・看護必要度の情報や、DPC データ等をご提供いただきたいと考えております。

看護協会からの調査項目では

医師・看護師による医療・看護の提供頻度、認知症行動・心理症状の有無 など

と書いてあるが、調査協力施設専用のサイトに載ってる項目を見てビックリ。お前どんだけざっくり書いたんやwwwと草を生やしたくなる。
ていうか、このサイトをきちんと確認しないで返事してしまった犯人がこの病院の中に居るwww お前だ!(当然見てない人だがw)
 
まぁ、突っ込みどころ満載。
そもそもなんと1病棟1Excelシートw
どう見ても各病棟で担当者1名(おそらく看護師長)が入力する事を想定しているw
もしくは交代で「私入力終わったよー」「はーい、じゃぁつぎアタシね(はーと)」的な「それいつの時代の話ですか?」的な対応をせざるを得ないw
複数人での入力を考慮していればファイルロック形式のExcelなんてありえんじゃろjk(常識的に考えて)
電子カルテからの情報を目視で転記しろと暗に強制している。なぜなら、ExcelファイルでなくCSVでデータ提出する際には「ペイロード型にしてね。(∀`*ゞ)テヘッ」だって。
ペイロードですよ、ペイロード。大事なことなので二回言いました。
ちょw、おまw、ペイロード型にデータ変換出来るアイテムとスキルを持った病院が全国でどれだけあるか想像してみたことあるのかと問い詰めたい。小一時間問い詰めたい
昨年春から様式1がペイロード型になったが、あれはベンダーさんが作ってくれているだろうから、例え診療情報管理士であっても「言葉だけは知っている」状態の人も多いっしょ。
ペイロード作るのどんだけ面倒くさいかは作ったことある人でなければ分からんわ。
 
あと、患者識別のためのキー値が「施設コード」×「病棟コード」×「1から連番」という作りについて。
なぜ1から連番にする必要があるのか?それも、桁数が3桁制限よ。何故に3桁w 10バイトにしなさいw
だって、DPCのデータ識別番号をペイロード内に記載させてるんだよ。だったらDPC対象患者でなくても同じロジックで一意化しちゃえばいいじゃん。
モロにExcel前提の作り。ペイロードデータを作らせるなら、それを考慮しないといけないよね。
基本設計した担当者出て来なさい。問い詰めてやる。小一時k(以下略)
 
さわりだけでこんだけ突っ込みどころのある調査は病院勤務歴20年目にして初めてっスwww
で、しゃあないから、1患者1日1項目ごとのレコード形式で蓄積している看護必要度のデータを、1患者1日ごとのレコードの中間ファイル作って、そこからペーロードに変換するロジックをちまちま作っています。ワタシ涙目(T_T)
一昨日から本気だそうと思っていましたが、当日朝から信州の広範囲で大規模停電w
電子カルテを含めたシステムは無事でしたが、地味にNASが壊れたりwプリンタが壊れたり、患者さまがベッドサイドでネット接続するためのLANのフロアスイッチが壊れたり(それも上位と光ファイバーで繋がってる幹線のSFPポート付きのやつw)とでなんだか忙しく、2日遅れでスタート。
もう時間がありませんがな。
 
でもね、ペイロードを作るアイテム持ってる当院としては、全部のデータをペイロードで出してやるんさ。
負けないぞw

院内のセカンダリブラウザをChromeにしちゃおうか

当院の電子カルテ端末のブラウザは未だにInternetExplorer8でございます。
電子カルテ稼動時(4年前)のままです。多くの病院さんでも稼動時のままという例が多いのではないでしょうか?
部門システムの呼び出しをブラウザでキックさせていたり、そもそもベンダーがIEをアップグレードした場合の動作保証をしていなかったり。
とはいえ、未だにIE8ってwwwって草生える。
 
でも、近頃のサイトはIE8のレンダリングエンジンでは上手く表示されなかったり、インタラクティブなサイトなのに活用できなかったり、院内から「なんとかならない?」の声が聞こえてきていた今日この頃。
お気持ちは分かります。特に当院は電子カルテ端末からインターネットの閲覧が出来る環境ですから、その恩恵は最大限に活用したいですよね。
 
でもね、でもね、ブラウザ上げるのは怖いお。
理由は幾つかあります。

  • ActiveDirectoryでのラクチンポンで管理できなくなった
  • ActiveDirectoryサーバがまだ2003Serverだ
  • IEAK(Internet Explorer Administration Kit)での管理は面倒だw
  • そもそもMicrosoftは信用できないw


最大の理由は部門システムのキックにIEを使っていること、レポート系の参照にもIEを使っていること。これらの検証をやるのは面倒だ。
 
えー、ここまでを要約すると、「とにかく面倒だw」ということです。
 
じゃぁさぁ、デフォルト・ブラウザはIEのままで、セカンダリ・ブラウザとしてChrome入れて管理しちゃおうぜ!と企んでいるわけです。
事実、Chromeを標準ブラウザにしてActiveDirectoryで管理する企業も増えてきていますよね。
なんてことを同僚と話をしていたら「◯◯(診療科)の端末にChrome入ってますよ!」と寝耳に水な情報が!
「え?なんで?ユーザー権限じゃインストール出来ないっしょ?」→ググる→「管理者権限が無くてもユーザープロファイルにChromeがインストール出来る」→「!!」
なんというGoogleトラップ!この裏技を知っていればグループポリシーの制限を受けずにブラウズし放題という・・・。
 
のんびりと「どうしようかなー」と考えていたのに急遽対策を迫られました。
 
という経緯で、ちまちま設定を入れてみました。
 
まずはChromeをActiveDirectoryで管理するためのポリシーテンプレートをGoogleのサイトからダウンロードして、GPOに適用。
http://www.chromium.org/administrators/policy-templates
ここらへんの手順はググりましょう。
とりま設定したポリシーは以下。

  • デフォルトブラウザに設定しない
  • デベロッパーツール無効
  • Chromeへのログイン無効
  • 履歴の保存無効
  • Googkeとのデータ同期無効
  • パスワードマネージャー無効
  • 拡張機能インスコ無効

 
次に、Chrome for Workからエンタープライズ版のChromeをダウンロード。
https://www.google.co.jp/chrome/business/
 
資源管理ツールを使って検証マシンにサイレントインストール。←いまここ
 
これからいろいろ検証して、具合が良ければセカンダリブラウザとして院内に配信しようと思ってます。

ネットのニュースになりました

拙blogをご愛読されている皆様、だいぶ遅いですが新年明けましておめでとうございます。
 
さて、今年最初のエントリーは、昨日某企業さんとコラボレーションした当院での取り組みが先方企業さんからプレスリリースが発表され、各種ネットニュースに取り上げていただいております。
内容を書くと私が誰か特定されちゃうので(「もう知っているがな」というツッコミは無用ですw)書けませんが、私が誰かご存知の方は職場の病院名でググッて頂ければと思います。
 
これまで数多の企業さんのモデル病院として取り上げられてきましたが、今回はかなりの大企業です。
信州の小田舎の病院ですが、大きな企業とコラボ出来ることは光栄の至りです。
今後も精進して行きたいと思いますが、まずは博士号取得が当面の目標なので、blogのエントリーは間隔が空くと思われますが、本年も拙blogをよろしくお願いいたします。

ICU/HCU看護必要度施設基準設定の経緯知ってる人いませんか?

みなさま、お久しぶりです。
医療情報学会での発表も無事終わり、博士論文の副論文のデータ整理をしています。
その過程で気がついたのですが、2014年4月の診療報酬改定で特定集中治療室管理料とハイケアユニット入院医療管理料看護必要度の施設基準が厳しくなりましたよね。
その経緯を調べていたのですが、厚労省中医協(入院医療等の調査・評価分科会)での議論・検討の経緯が議事録上にないのですよ。
もちろん7:1入院基本料と喀痰吸引は除くとか血圧・尿測の削除などはきちんと議事録がある。
 
んー、じゃぁその上の診療報酬基本問題小委員会で議論されたのかなと思って虱潰しに当たってみたけどそれらしいものは発見できず。
本体である中央社会保険医療協議会総会をあたり、ちょっとだけ発見。
見つかったのは「答申」もしくは「答申のたたき台」だけ。
中医協 総−1 26.2.12
中医協 総−4 26.1.29

中央社会保険医療協議会総会議事録では、膨大な資料の中の一部としてちらっと触れただけ。委員さん、完全にスルーしてるw

7ページ「質の高い集中治療の評価について」でございます。
 「第2 具体的な内容」の1.でございます。より体制の充実した特定集中治療室の評価を新設するということで、特定集中治療室管理料1と2を新設するということです。
 施設基準としまして、専任の医師が、常時ICU内に勤務していること等々の基準を設けるということでございます。
 8ページでございますが、表にございますように、従来の1と2だったものは、3と4になるということでございます。
 すぐ上に2.がございますが、重症度について、一般病棟での見直しを踏まえて、名称を「特定集中治療室用の重症度、医療・看護必要度」に変更する。「特定集中治療室用」という言葉を添えることと、先ほどの改定の「医療」という言葉を入れる。そのような変更をするということです。そして、評価方法について、少し変更するということでございます。
 これについても、経過措置を設けるということでございます。

 
特定集中治療室管理料とハイケアユニット入院医療管理料の看護必要度の施設基準はいったいどこで議論されてきたのでしょう?
どなたかご存知の方がいましたらメール、Twitter、blogコメント等で教えてください。m(__)m

医療情報学連合大会で発表

過去2年連続で演題申込を忘れていた医療情報学会での発表ですが、今年も危うく申し込み忘れるところでした。運良く同僚が気がついてくれて(笑)抄録申し込んだら無事に通過しましてですね。
2年も忘れていたネタなのに、まだまだ新鮮なのかAcceptされた時は驚きましたねw

あ、ちゃんと一般口演です。ポスターじゃありませんよ。
てなわけで今は幕張メッセに向かう新幹線の車内です。

しかしまぁ、あれですね。
口演発表は「◯◯大学」か「◯◯大学医学部附属病院」ばかりですね。
大学系以外の発表者は私を含めてほんの数人。
PaperのAbstractは英語で書かなきゃいけないとか、いろいろハードルを上げてアカデミックにしようとという気持ちはわかりますよ。
でも、一般の病院だって頑張ってる病院は頑張ってる。だけど「英語かけないよー」って人だっているでしょう。そういう人を篩い落としてしまうのはとてももったいないことだと思います。

ま、とにかく発表頑張りますわ。